ひびのきろく

ちょっと覚えておきたいことを書き留めます。

孤独という感情

なぜ喜怒哀楽などの様々な感情があるのだろうと不思議に思うことがある。

人間の最も基本的な感情は、実は孤独なのではないか。

孤独が喜怒哀楽を呼び起こす原初の感情なのではないか。孤独でないことを喜び、孤独であることを哀しむ。孤独の陰に怯えて怒り、孤独を退けて楽を感じる。愛や祈りは孤独の痛みを和らげる試みなのだ。一面的ではあるが、物の見方としては成立していると思う。

そもそも、生きるものはすべて孤独から逃れることはできない。自分の生き死にの責任を取るのは自分しかいないからだ。生き死にに関わる責任の単位こそが自分というものの定義と言ってもよい。たとえ家族・会社・地域などの共同体に属していたとしても、自分の生物としての存亡の責任をとれるのは生物としての自分だけだ。

瞑想をすると、この孤独が根本にあることがよくわかる。ひととき周囲と自分とを切り離して内なる感情を吟味すると、その源を辿った先にいつも孤独があるようなのだ。また辿った道をゆっくり振り返れば、孤独から我が感情の湧き上がるさまを見通すことができる。

そうして自らを整えるのが、瞑想のありようなのだと思う。